新規事業のテストマーケティングを外注する際、まず決めるべきは会社名より「何を実売に近い形で検証したいか」です。 BtoBの新サービスなら、法人へ実際にアプローチして反応を測る「営業アウトバウンド型」が向いています。一方、EC・D2Cの新商品なら、実際にモールやサイトで売ってみる「実売テスト型」の方が精度の高いデータが得られます。同じ「テストマーケティング代行」でも検証できることが違うため、選び方を間違えると欲しいデータが手に入りません。
この記事では2つのタイプの違いを整理したうえで、代表的な会社を公開情報に基づいて比較します。
評価軸:何を検証できるか、費用はどう発生するか
テストマーケティング代行を比較する際は、次の3点を確認してください。
- 検証手法——法人への営業アプローチで反応を測るのか、実際に商品を販売して売れ行きを測るのか
- 料金体系——固定報酬か、成果報酬か、売上に対する手数料か
- 得られるデータの粒度——反応率だけでなく、断り理由・競合利用状況・訴求別の反応差まで分解して納品されるか
BtoBサービスの検証をEC型の会社に依頼しても実売の場がないため意味がなく、逆にEC商品の検証を営業アウトバウンド型に依頼しても架電では売れ行きは測れません。まずタイプを絞り込み、そのタイプの中で料金体系とデータの粒度を比較するのが正しい順序です。
タイプ別比較表
| タイプ | 検証手法 | 代表的な会社 | 料金体系の目安 |
|---|---|---|---|
| BtoB営業アウトバウンド型 | 法人へ電話・訪問等でアプローチし、業界・役職・訴求別の反応を測定 | クイックセールス、canterista、ケンショウ(ゼロシード)、リベラルハーツ | 完全成果報酬型(1件9,800〜20,000円程度)、固定報酬型(月額10万円〜) |
| EC・D2C実売テスト型 | モール・自社サイトで実際に商品を販売し、売れ行き・レビューを測定 | ザーナス、サヴァリ(テスト販売プラン®) | 売上に対する手数料型(売上の30%程度)、月額固定費0円 |
BtoB営業アウトバウンド型の代表的な会社
法人へ実際にアプローチし、業界・役職・訴求パターンごとの反応を数値で取得するタイプです。アポ獲得だけでなく、断られた理由や競合利用状況までデータとして残るため、次の営業戦略やプロダクト改善に直結しやすいのが特徴です。
クイックセールス(紅JAPAN株式会社)
クイックセールスは当社(紅JAPAN株式会社)が運営するサービスです。「短期集中アウトバウンド」というメニューで、1〜2ヶ月の期間で新規事業の市場検証に対応しています。複数の訴求パターンを並行して法人へ接触し、業界・役職・訴求ごとの反応率をレポート化。アポ獲得に加えて、断られた理由・競合サービスの利用状況・価格提示時の反応まで市場反応データとして納品する点が特徴です。料金は承認アポイント1件20,000円〜の完全成果報酬型で、初期費用・月額固定費は0円、最低契約期間もありません。
株式会社canterista
テストマーケティングサービスを提供する会社で、商品・サービスのヒアリングから営業戦略の提案、テレコールや飛び込み営業によるテスト実施、市場マッチング分析までを一括で行います。基本プランは30〜35万円/2週間(レポート提出・コンサル料込み)で、テレアポは完全成功報酬型で1件9,800円〜(難易度により変動)、飛び込み営業は完全成果報酬型で1件2万円という料金設定です。2週間という短い単位で検証を回せる点が特徴ですが、実績社数などの具体的な数値は公式サイトに公開されていません。
ケンショウ(ゼロシード株式会社)
「戦略、制作、プロモーション、セールスをまるっと代行」を掲げる新規事業支援サービスです。テストマーケティングと営業代行を組み合わせたメニューを提供し、1ヶ月からのスモールスタートが可能で、稼働開始までの費用は0円としています。継続率92.4%、導入事例4件(専門学校・IT企業・住宅・美容の各業界)を公開しています。具体的な料金(月額・成果報酬単価)は公式サイトに明記がなく、問い合わせ後の見積もりとなる点は確認が必要です。
株式会社リベラルハーツ
公式サイトでは、営業戦略策定・リスト作成・テレアポ・手紙営業・商談・データ分析を提供範囲として掲げています。テレアポと手紙営業を組み合わせられるため、電話だけでは接触しにくい層への反応も含めて検証できるのが特徴です。費用は公式サイトに「最低費用 月/10万円」と記載があります。料金体系の内訳(固定報酬型か成果報酬併用か)や最低契約期間は公式サイトに明記がなく、問い合わせが必要です。
EC・D2C実売テスト型の代表的な会社
新商品を実際にモールや自社サイトで販売し、売れ行き・レビュー・問い合わせ内容から市場の反応を測定するタイプです。BtoBの営業アウトバウンド型とは異なり、「実際に買われるか」を直接検証できる点が最大の違いです。
株式会社ザーナス
EC・ネットショップの運営代行・コンサルティングを行う会社で、テストマーケティングサービスを提供しています。商品ページ制作・登録から実際の販売代行、SEO対策・競合調査、月次レポート提供までを同社が担い、クライアントは商品情報・画像の提供と商品発送のみを対応します。料金は売上代金の30%のみで、出店費用・月額固定費は不要(モール手数料は同社負担、配送料はクライアント負担)です。契約期間は最低3ヶ月から。950社以上の実績、売上向上率93.8%(2026年4月時点の公開情報)を公開しています。
サヴァリ株式会社(テスト販売プラン®)
楽天・Amazon・Yahoo!等の主要モールでのテスト販売を、自社プラットフォーム「Bee-Store」を通じて提供するサービスです。月額費用は0円で、売上の70%をクライアントへキックバックする仕組み(実質的な手数料率は30%程度)を採用しています。申込みから最短2週間でテスト販売を開始でき、月1回のミーティングとチャットワークでの随時サポートが付きます。年間契約が基本で、支払いは月末締め翌月末払い(年間一括払いも選択可)です。
選び方まとめ
- BtoBの新サービス・新規事業の市場性を法人への実アプローチで検証したいなら、営業アウトバウンド型を選ぶ。初めての検証で費用対効果を重視するなら、成果ゼロ時の支払いが発生しない完全成果報酬型(クイックセールス・canteristaのテレアポ等)から検討するのが定石です
- EC・D2Cの新商品が実際に売れるかを検証したいなら、実売テスト型を選ぶ。固定費をかけずに検証したい場合は、月額0円で始められる会社を優先してください
- 短期間でスピーディーに結果を見たいなら、canteristaの2週間プランやサヴァリの最短2週間開始のように、検証サイクルの短さも比較軸に加えるとよいでしょう
いずれのタイプも、検証で終わらせず「反応が良かった業界・訴求・商品をどう本格展開につなげるか」まで設計しておくことが重要です。本格展開後の商談母数の作り方は営業代行会社の選び方チェックリスト、料金体系ごとのリスクの所在はテレアポ代行会社の比較——料金体系別の選び方で解説していますので、あわせてご確認ください。市場検証で見るべき項目や検証設計の考え方は新規事業の市場検証を営業で行う方法にまとめています。
よくある質問
テストマーケティングと通常の市場調査(アンケート・インタビュー)はどう違いますか?
アンケートやインタビューは「買うと言ったのに買わない」というバイアスを排除できません。テストマーケティングは実際に営業アプローチをかけたり商品を販売したりして、想定顧客の実際の行動(反応・購入)を数値で取得する点が異なります。特にBtoBの新規事業では、実際に法人へアプローチして得られる断り理由や競合利用状況といった生の反応が、アンケートでは得られない意思決定材料になります。
BtoB営業アウトバウンド型とEC実売テスト型、両方必要になることはありますか?
商材によってはあり得ます。たとえばBtoB向けSaaSに加えて関連グッズをEC販売するなど、複数の事業モデルを検証する新規事業では、営業アウトバウンド型で法人反応を、実売テスト型でEC需要を、それぞれ別に検証する必要があります。ただし多くの新規事業はどちらか一方の検証で十分なため、まず自社の商材がBtoBの実アプローチ型かEC実売型かを見極めてから会社を選んでください。
テストマーケティングの結果、需要がないと分かった場合はどうすればいいですか?
それも検証の成果です。営業アウトバウンド型・実売テスト型ともに、固定費をかけない成果報酬型・手数料型のサービスを選んでおけば、需要がないと分かった時点で契約を終了しても損失を最小化できます。採用(固定費)ではなく外部委託(変動費)で検証する意義は、まさに撤退判断のコストを抑えられる点にあります。
なお、確認できなかった料金・条件については「要問い合わせ」としています。掲載情報は2026年8月10日時点の各社公開情報に基づきます。
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