営業リスト作成サービスは、大きく「自社で条件を指定して抽出するDB型(データベースツール)」と「人が条件に沿ってリストを作り納品する作成代行型」の2種類に分かれます。 どちらも「アプローチ先の一覧を用意する」目的は同じですが、費用が発生する条件(月額・従量か、件数課金か)も、リストの精度も、社内に必要な工数もまったく異なります。ここを混同したまま「1件あたり何円か」だけで比べると、「安いDBを契約したが条件に合う企業が少なかった」といったミスマッチが起きがちです。
この記事では、DB型と作成代行型を「誰が作るか」「何に費用が発生するか」「データの鮮度と加工のしやすさ」の3軸で整理し、公開情報に基づいて代表的なサービスを比較します。評価軸そのものを固めたい方は、営業代行会社の選び方チェックリストもあわせてご覧ください。
評価軸:単価より先に「誰が作るか」を見る
営業リスト作成サービスを比較するときは、料金の額面より先に次の3点を確認してください。
- 誰が作るか——自社が管理画面で条件を指定して抽出するのか、代行会社の担当者が要件をヒアリングして作成・納品するのか
- 何に対して費用が発生するか——月額の利用料か、ダウンロード件数の従量か、納品するリスト1件あたりの単価か
- データの鮮度と加工のしやすさ——網羅的なデータベースを条件抽出できるのか、個別条件(特定部署・役職名・除外リストなど)に手作業で対応してもらえるのか
DB型は「ツールの利用」に費用が発生し、自社で条件を組んで大量に抽出できるぶん単価は安く見えますが、抽出条件の設計や精査は自社で回す前提です。作成代行型は「納品されるリスト」に費用が発生し、細かい条件や手作業の精査を任せられるぶん単価は上がります。「安いか高いか」ではなく「条件設計と精査を自社でやれるか」で向き不向きが決まるのが本質です。
比較表:DB型・作成代行型の違い
| タイプ | 誰が作るか | 費用の発生条件 | 費用の目安 | データの鮮度・加工 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|---|---|
| DB型(データベースツール) | 自社(管理画面で条件抽出) | 月額または出力件数の従量 | 無料〜月額20万円程度(サービス・プランにより幅) | 網羅的だが更新はDB側に依存/加工は自社 | 抽出条件を自社で組める/継続的にリストを使う企業 |
| 作成代行型 | 代行会社の担当者(要件ヒアリング→納品) | 納品するリスト1件あたりの単価 | 1件5〜30円程度(一般的な相場) | 個別条件・除外・手作業の精査に対応しやすい | 条件設計や精査に手が回らない/スポットで必要な企業 |
※単価・料金の目安は、後述の各社公開情報および一般に言われる相場に基づく参考値です。正確な金額は各社の見積もりやプランによります。
DB型:自社で条件を組んで抽出するデータベースツール
DB型は、蓄積された企業データベースに対し、自社が管理画面で業種・エリア・従業員規模などの条件を指定してリストを抽出するタイプです。月額または出力件数の従量で費用が発生し、条件を変えて何度でも抽出できるため、継続的に使う企業ほどコストメリットが大きくなります。一方で、抽出条件の設計や抽出後の精査は自社で行う前提です。
FUMA(株式会社Plainworks)
約160万社の企業データベースから、業種・エリア・タグなどの条件で営業リストを作成できるツールです。ブラウザ上での検索・閲覧は無料でログイン不要という点が大きな特徴で、まず条件に合う企業がどれくらいあるかを試すのに向いています。CSVでのデータ出力が必要な場合は有料の「FDS(FUMAデータサービス)」を利用し、単価5円・500円からダウンロードできる料金体系です。スポット利用を前提とした従量制のため、必要なぶんだけ低コストで出力したいケースに適しています。データ項目は社名・住所・電話・URLなど基本情報が中心です。
参照:FUMA 公式サイト
Musubu(Baseconnect株式会社)
1,200万件以上の企業データから、業種・エリア・従業員規模などの条件に加え、求人やニュースといった動的な情報も組み合わせて営業リストを作成できるツールです。公式サイトでは初期費用は一切かからないと明記され、公開プランの例として6ヶ月プラン月額200,000円(税別/120,000クレジット)、12ヶ月プラン月額160,000円(税別/240,000クレジット)などが案内されています。クレジット消費型で、CRM連携やメール配信機能も備え、リスト作成から軽いアプローチまでワンストップで回したい企業に向きます。データ量が多いぶん、条件設計を丁寧に行わないと抽出結果が広がりすぎる点には注意してください。
参照:Musubu 公式サイト
ラクリス(株式会社soraプロジェクト)
50サイトから収集した1,000万件以上のデータを活用できるクラウド型ツールで、料金プランの選択肢が多いのが特徴です。継続利用向けの月額プランは、ライトプラン月額10,000円(初期費用10,000円・月3,000件・超過分は1件2円)からアドバンスプラン月額50,000円(月50,000件・超過分は1件1円)まで4段階が用意され、利用期間は1ヶ月からとなっています。ほかに、30,000円・初期費用0円で10,000件を1年間の利用期間内に取得できる定額プラン「T10000」、電話番号1件25円で特定部署の連絡先を取得できる部署別プランもあります。ダウンロード済みのデータは再ダウンロードしても課金されない仕組みで、初めての場合は300件の無料お試しから始められるため、取得量や利用頻度に合わせてプランを選びたい企業に向いています。
参照:ラクリス 公式サイト
作成代行型:条件を伝えて作ってもらう
作成代行型は、代行会社の担当者が要件をヒアリングし、条件に沿ったリストを作成して納品するタイプです。納品するリスト1件あたりの単価で費用が発生し、一般的な相場は1件5〜30円程度、リストアップに特化したタイプでは1,000件あたり3万円程度が目安とされています。DB型のように自社で条件を組む必要がなく、「特定部署の宛名を調べる」「既存顧客を除外する」「複数ソースを突き合わせて精査する」といった手作業を任せられるのが強みです。
一方で単価はDB型より高くなりやすく、納品までにリードタイムもかかります。また各社が料金を「要問い合わせ」とするケースが多く、比較メディアの掲載額と実際の見積もりが一致しないこともあります。検討する際は、次の3点を必ず各社の見積書で確認してください。
- 課金単位は納品1件あたりか、作業時間(月○時間)あたりか
- データ項目(電話番号・部署名・役職・メール等)はどこまで含まれるか
- 重複・不達・除外リストの精査はどこまで実施されるか
スポットで質の高いリストが必要な場合や、条件設計・精査の手が社内で回らない場合は作成代行型が候補になりますが、継続的に大量のリストを使うならDB型を契約して内製化するほうが単価は抑えられます。
どちらを選ぶか:3つの判断基準
DB型と作成代行型のどちらを選ぶかは、以下の3点で判断できます。
- 抽出条件を自社で組めるか——組めるならDB型で内製化、組めない・任せたいなら作成代行型
- リストを継続的に使うか、スポットか——継続利用ならDB型の月額が割安、スポットなら作成代行型か従量制のDB型
- 精査(重複・除外・宛名調べ)を誰がやるか——社内で回せないなら手作業ごと任せられる作成代行型が向く
単価の安さだけでDB型を選ぶと、条件設計と精査という「見えない工数」を見落としがちです。逆に、社内でリストを組める体制があるのに毎回代行へ出すと、内製化できたコストを払い続けることになります。条件設計・精査に自社で手をかけられるかを起点に選ぶのが失敗しない順序です。
リストの先の「架電・送信」まで見据えて選ぶ
営業リストは作って終わりではなく、架電・フォーム送信・メール配信という実行があって初めてアポにつながります。リスト作成と実行の役割分担は、アポ獲得サービスの比較(代行とツール)で「誰が手を動かすか」の切り分けとして解説しています。リスト作成から架電・アポ設定までを実務ごと外部に任せたい場合は、成果報酬型の営業代行という選択肢もあります。クイックセールスは当社(紅JAPAN株式会社)が運営するサービスです。 クイックセールスは、承認アポ1件20,000円〜・初期費用0円・契約縛りなし(1ヶ月更新)で、リスト作成を含む実務を担い、発注側が承認したアポのみ課金する完全成果報酬型です(却下分は課金対象外・最短3営業日で稼働)。リストだけを調達するのではなく成果(アポ)まで任せたい場合の比較検討の1社としてご覧ください。フォーム経由のアプローチを外部に任せたい場合は、フォーム営業代行の比較もあわせてご覧いただけます。
よくある質問
営業リストはDB型と作成代行型のどちらが安いですか?
1件あたりの単価で見ると、DB型(無料〜1件数円程度)のほうが作成代行型(1件5〜30円程度)より安く見えます。ただしDB型は抽出条件の設計や、抽出後の重複・不要先の精査を自社で行う前提のため、その工数を含めた実質コストで比較する必要があります。条件を自社で組めて継続的に使うならDB型が割安ですが、その手が回らないなら手作業ごと任せられる作成代行型のほうが効率的なこともあります。単価ではなく「自社でどこまで作業できるか」を含めて判断してください。
DB型ツールを契約すればすぐに使えるリストになりますか?
抽出そのものは管理画面で完結しますが、抽出したリストがそのまま使える精度になるとは限りません。データベースの情報は更新タイミングによって古い場合があり、条件を広く取りすぎるとターゲット外の企業も含まれます。抽出後の重複・不達・ターゲット外の除外という精査は、DB型では自社が負担する前提です。この精査まで任せたい場合は作成代行型が向きます。
リストがないと営業代行は依頼できませんか?
いいえ。リスト作成から任せられる営業代行サービスは多く、リストがない状態でも開始できます。たとえばクイックセールス(紅JAPAN株式会社が運営)は、リスト作成を含む実務を担い、承認したアポのみ課金する完全成果報酬型です。リストだけ外部調達して架電は社内で行うか、リスト作成から架電・アポ設定まで実務ごと任せるかは、社内の営業リソースの有無で選ぶとよいでしょう。
掲載情報は2026年8月5日時点の各社公開情報および一般的な市場情報に基づきます。呼称や機能・料金は各社で定義が異なり変更される場合があるため、データ件数・費用の発生条件・契約期間は契約前に各社へ直接ご確認ください。
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